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「押切伸一的サイト」から派生しております。格闘技、武道系は「格闘まむしの兄弟」というブログで更新中。


by o4kiri
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PRIDEグランプリ終了

 8月15日PRIDEグランプリはノーコンテストという予期せぬ形で終わった。しかし、ミドル級(PRIDEでは93kg以下)とヘビー級では、日本の選手にとって「しばらくは頂点に立てないだろう」という意味を含めての「敗戦記念日」となってしまったことは確かだ。
 近藤にせよ、小川にせよ、ボクシングのトレーナーについてストレートを打つレッスンを重ねてきたはずだ。彼らの打ち方はボクシングのセオリーから見れば甘く、正統なものとはいえないだろうが、「運動線が曲線より直線の方が早い」という当たり前の視点から見れば、大振りなフックを放つシウバやヒョードルに対しては有効だったはずだ。
 しかし、闘いに単純な物理学は通用しないし、PRIDEはボクシングではない。打撃という局面において、防御への意識がきわめて薄いシウバやヒョードルの放つパンチは、普通のフックよりずっと伸びて、身体すべてをぶつけてくるような錯覚にとらわれたに違いない。
 ふたりとも身に染みて総合の打撃が分かっているのだろう。今のPRIDEでは当て勘を持ちながら大胆に踏み込んで来る者に対して、「確実に」地獄に落とすカウンターの罠を仕掛けられるような名手はいない。総合格闘技という設定の中で、もう一度打撃を根底からとらえなおし、技を造り上げなければシウバに勝てない。それにはしばらく時間がかかるだろう。
 しかし、当然のことながらシウバはブラジル人だから、という特性であの打撃を身につけたわけではない。誰にでも道は開かれている。そして近藤にはクイントン・ジャクソンを含めた、誰よりもその可能性を感じさせた。
by o4kiri | 2004-08-18 11:45 | 武道と格闘技