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「押切伸一的サイト」から派生しております。格闘技、武道系は「格闘まむしの兄弟」というブログで更新中。


by o4kiri
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フォーサイス・カンパニー来日公演その1

3月4日(土)、さいたま芸術劇場でフォーサイス・カンパニーのBプログラムを観た。
12月に初演された "Clouds after Cranach"、"7 to 10 Passages"、"One Flat Thing, reproduced" の3作品。
最後の作品は圧巻だった。幕が開くと舞台奥から、いっせいに12台の机をダンサー達が引っ張りながら走って登場する。その机が整然と配置されると、ダンダーたちは机の上と下、そして狭い机の間で高速で自在に動き回る。そのインプロビゼーションは複数で絡み合うだけでなく、机を利用した高低差もあるため、どれかひとつに焦点を絞って見続けることは不可能だ。そうして視覚が飽和状態になってくると、ダンスから音が聴こえるような錯覚が湧き上がるのだ。
 そして、少しすると不意に懐かしい感覚が訪れる。ドイツから持ってきたという机は、ちょうど理科室あたりに置いてあるサイズだから、懐かしさのモトはそこで休み時間や掃除の時に遊んだ記憶かもしれない。もちろん、足を高く上げたり、手を高く上げたりはしなかったけれど、机という障害物の間で追いかけっこをするため、スリリングな体験だった。
 最後は登場と同様、ダンサーが机をひきながら走って去っていく。あっけにとられ、思わず「スゲエ!」と口走っていた。そしてカッコイイ! 
 そして、3作品とも、ダンサーたちの接触感や距離感にこれまでにない繊細さが生まれていた。これはまぎれもなく、日野晃先生との出会いが生んだものだ。
 
 
by o4kiri | 2006-03-06 01:27 | 観たもの